…何を思い、何の為に私をここに呼んだのか。
何故今になって、ルシファー…ルレイアの名前が出てくるのか。
もう二度と聞くことはないと思っていたのに…。
「わざわざお呼び立てして、申し訳ありません」
ブロテは握手を求めて、手を差し出した。
しかし、私はその手を取らなかった。
…交友を深める為に来たのではない。
「申し訳ないが、すぐ本題に入って欲しい。…私とて、それほど暇ではない」
「…」
ブロテは無言で、じっと私を見つめた。
「…気を悪くしたか?」
「いいえ。そうではなく…弟君によく似ていらっしゃると思って」
「…何?」
彼女の言う「弟」が誰のことか、言われずとも分かった。
帝国騎士団にいる、一番目の弟ではなく。
今は『青薔薇連合会』にいる、二番目の弟…つまりはルレイアのことだ。
「つい先日、弟君…ルレイア卿ともお話したんです。そのとき彼も、前置きは良いから早く本題を話せ、と言ってましたよ。あなたと同じですね」
…私がルレイアと似ているかなど、今となってはどうでも良いことだ。
二人の道が、決定的に違えてしまったそのときから。
それより、気になるのは…。
「…ルレイアと話したのか?」
よく応じてくれたものだ。
オルタンス殿がいくら声をかけても、無視を決め込むあいつが。
帝国自警団の団長なら良いのか。
しかし。
事態は、私が思っているより遥かに大事に発展していた。
「えぇ、話しました。彼は今、帝国自警団本部にいます」
「…何?」
ルレイアが帝国自警団にいる?
何故そんなことに…。
「帝国自警団の権限を持って、一時的に彼を保護しています」
ブロテは私の疑問に答えるように、そう説明した。
保護。そういうことか。
制度として存在していることは知っていたが、実際に使われたところを見るのは初めてだ。
「我々帝国自警団は、帝国騎士団やベルガモット王室の腐敗が、『青薔薇連合会』…並びに、『青薔薇連合会』幹部であるルレイア・ティシェリーに起因すると知って、これまでずっと彼の身辺について調べていました」
「…」
…そうか。
それで、私を呼び出した訳か。
何故今になって、ルシファー…ルレイアの名前が出てくるのか。
もう二度と聞くことはないと思っていたのに…。
「わざわざお呼び立てして、申し訳ありません」
ブロテは握手を求めて、手を差し出した。
しかし、私はその手を取らなかった。
…交友を深める為に来たのではない。
「申し訳ないが、すぐ本題に入って欲しい。…私とて、それほど暇ではない」
「…」
ブロテは無言で、じっと私を見つめた。
「…気を悪くしたか?」
「いいえ。そうではなく…弟君によく似ていらっしゃると思って」
「…何?」
彼女の言う「弟」が誰のことか、言われずとも分かった。
帝国騎士団にいる、一番目の弟ではなく。
今は『青薔薇連合会』にいる、二番目の弟…つまりはルレイアのことだ。
「つい先日、弟君…ルレイア卿ともお話したんです。そのとき彼も、前置きは良いから早く本題を話せ、と言ってましたよ。あなたと同じですね」
…私がルレイアと似ているかなど、今となってはどうでも良いことだ。
二人の道が、決定的に違えてしまったそのときから。
それより、気になるのは…。
「…ルレイアと話したのか?」
よく応じてくれたものだ。
オルタンス殿がいくら声をかけても、無視を決め込むあいつが。
帝国自警団の団長なら良いのか。
しかし。
事態は、私が思っているより遥かに大事に発展していた。
「えぇ、話しました。彼は今、帝国自警団本部にいます」
「…何?」
ルレイアが帝国自警団にいる?
何故そんなことに…。
「帝国自警団の権限を持って、一時的に彼を保護しています」
ブロテは私の疑問に答えるように、そう説明した。
保護。そういうことか。
制度として存在していることは知っていたが、実際に使われたところを見るのは初めてだ。
「我々帝国自警団は、帝国騎士団やベルガモット王室の腐敗が、『青薔薇連合会』…並びに、『青薔薇連合会』幹部であるルレイア・ティシェリーに起因すると知って、これまでずっと彼の身辺について調べていました」
「…」
…そうか。
それで、私を呼び出した訳か。


