―――――――…帝国自警団のブロテ・ルリシアスから、秘密裏に連絡を受け。
私はこの日、帝都にある某ホテルにやって来ていた。
言うまでもないことだが。
これは個人的な接見であり、帝国騎士団副団長として来た訳ではない。
今日の私は、ただのルシェとしてここに来た。
本当なら、ブロテの誘いを受ける必要はなかった。
例え個人的な接見であっても、私は帝国騎士団の副団長であり、ブロテは帝国自警団の団長だ。
そして、これら二つの組織は、互いに不干渉の原則がある。
帝国騎士団は帝国自警団のやることに文句をつける権利はないし、それは逆も然り。
自警団が何をしようと、私達が関わる権利はない。
だから、ブロテと個人的な繋がりを持つつもりもなかった。
それなのに、何故私が今日、ブロテの誘いを受けてここにやって来たのか。
それには…理由がある。
非常に私的な理由だ。
帝国騎士団副団長として、このような理由で帝国自警団の団長に会うべきではない。
…それは分かっている。
だから、最初に声をかけられたときは断るつもりだった。
でも、断らなかった。
帝国自警団が、とある一人の人物を名前をあげたからだ。
その一人の名前を聞いて、私はここに来ることを決めたのだった。
「ルシファー・ルド・ウィスタリア卿について、話し合いたいことがある」と。
そう言われて、私は無視を決め込むことは出来なかった。
その名前を出せば、私は断れないと分かっていたのだろうか?
ルレイア・ティシェリーではなく…ルシファーの名前を出したことに、自警団の作意を感じる。
何かの罠なのではないか、とも思った。
だけど結局、私は断ることが出来なかった。
相変わらず、私は。
私は…その名前を聞く度に、胸が締め付けられるような思いになる。
かつて、私が最も愛し。
しかし、救ってやることが出来なかった…。
…私の、弟の名前だ。
「…ルシェ・ウィスタリア卿」
「…来たか」
一人物思いに沈んでいた私のもとに。
私をここに呼び出した張本人、帝国自警団団長ブロテ・ルリシアスがやって来た。
私はこの日、帝都にある某ホテルにやって来ていた。
言うまでもないことだが。
これは個人的な接見であり、帝国騎士団副団長として来た訳ではない。
今日の私は、ただのルシェとしてここに来た。
本当なら、ブロテの誘いを受ける必要はなかった。
例え個人的な接見であっても、私は帝国騎士団の副団長であり、ブロテは帝国自警団の団長だ。
そして、これら二つの組織は、互いに不干渉の原則がある。
帝国騎士団は帝国自警団のやることに文句をつける権利はないし、それは逆も然り。
自警団が何をしようと、私達が関わる権利はない。
だから、ブロテと個人的な繋がりを持つつもりもなかった。
それなのに、何故私が今日、ブロテの誘いを受けてここにやって来たのか。
それには…理由がある。
非常に私的な理由だ。
帝国騎士団副団長として、このような理由で帝国自警団の団長に会うべきではない。
…それは分かっている。
だから、最初に声をかけられたときは断るつもりだった。
でも、断らなかった。
帝国自警団が、とある一人の人物を名前をあげたからだ。
その一人の名前を聞いて、私はここに来ることを決めたのだった。
「ルシファー・ルド・ウィスタリア卿について、話し合いたいことがある」と。
そう言われて、私は無視を決め込むことは出来なかった。
その名前を出せば、私は断れないと分かっていたのだろうか?
ルレイア・ティシェリーではなく…ルシファーの名前を出したことに、自警団の作意を感じる。
何かの罠なのではないか、とも思った。
だけど結局、私は断ることが出来なかった。
相変わらず、私は。
私は…その名前を聞く度に、胸が締め付けられるような思いになる。
かつて、私が最も愛し。
しかし、救ってやることが出来なかった…。
…私の、弟の名前だ。
「…ルシェ・ウィスタリア卿」
「…来たか」
一人物思いに沈んでいた私のもとに。
私をここに呼び出した張本人、帝国自警団団長ブロテ・ルリシアスがやって来た。


