「…どうしたの?マリアーネ…」
「あ、いや…うん…」
「…?」
何で目を逸らす?
まるで、聞かれたくなかったことを聞かれたかのように…。
「マリアーネ?」
「…ブロテちゃん、ごめんね」
「え?」
唐突に、マリアーネは私に謝った。
何故謝る?
「実は…その、最近…。『組織』を脱退する人が急増して…」
と、彼女は申し訳無さそうに教えてくれた。
…脱退…?
「今『組織』のメンバーは…ブロテちゃんがいた頃の、3分の2くらいしか…」
「えぇ…!そんなに…?」
「…ごめん」
あ、いやマリアーネを責めた訳じゃなくて。
あまりに驚いて、つい責めるような口調になってしまった。
…ともかく。
こんな重大なニュースを知らされて、ぐびぐびお酒を飲んでいる訳にはいかない。
さっきまでほろ酔い気分だったのに、すっかり酔いが覚めたようだ。
「そんなにメンバーが減っちゃったの…?」
10年前、私が「組織」にいた頃はもっと…。
「うん…。旧いメンバーは減ってないよ。ユナちゃんやシャニーちゃん、アンブロ君やセルニア君も…」
だよね。それは知ってる。
空港まで、私を迎えに来てくれたから。
当たり前のように彼らと再会したから、全然気が付かなかった。
「組織」のメンバーが、私の知る頃よりずっと少なくなっている、なんて。
…そういえば。
「この歓迎会にも…。参加してない人が結構いるね。ただ忙しくて来られないだけかと思ったけど…」
「…そういう人は、もう『組織』から出て行っちゃったの」
…まさか、そんな。
私が「組織」にいた頃も、脱退希望者はゼロではなかったけれど…。
そんな、目に見えて脱退希望者が続出する、なんてことはなかった。
それなのに、どうして…。
この10年で、一体何があったの?
「本当に…ごめんね、ブロテちゃん。私の力が及ばないばかりに…」
マリアーネは泣きそうな顔で、深々と頭を下げた。
ちょっと、何それ。
「やめてよ、マリアーネ。あなたが謝る必要なんて…」
「…マリアーネ団長代理を、責めないでやって欲しい」
…マリアーネが、この話をするのを待っていたかのように。
振り向くと、私を空港まで迎えに来てくれたメンバーが…。
ユナやシャニーや、アンブロやセルニアが立っていた。
さっきまで笑顔だったのに、今はマリアーネと同様…顔を曇らせていた。
…皆…。
ようやく私は、彼女達が久々に帰ってきた私の為に、わざと明るく振る舞っていてくれたのだ、と気がついた。
仲間に気を遣わせるなんて、私という奴は…。
浮かれていた自分が、恥ずかしくなってきた。
…ともあれ、起きた事実に変わりはない。
「あ、いや…うん…」
「…?」
何で目を逸らす?
まるで、聞かれたくなかったことを聞かれたかのように…。
「マリアーネ?」
「…ブロテちゃん、ごめんね」
「え?」
唐突に、マリアーネは私に謝った。
何故謝る?
「実は…その、最近…。『組織』を脱退する人が急増して…」
と、彼女は申し訳無さそうに教えてくれた。
…脱退…?
「今『組織』のメンバーは…ブロテちゃんがいた頃の、3分の2くらいしか…」
「えぇ…!そんなに…?」
「…ごめん」
あ、いやマリアーネを責めた訳じゃなくて。
あまりに驚いて、つい責めるような口調になってしまった。
…ともかく。
こんな重大なニュースを知らされて、ぐびぐびお酒を飲んでいる訳にはいかない。
さっきまでほろ酔い気分だったのに、すっかり酔いが覚めたようだ。
「そんなにメンバーが減っちゃったの…?」
10年前、私が「組織」にいた頃はもっと…。
「うん…。旧いメンバーは減ってないよ。ユナちゃんやシャニーちゃん、アンブロ君やセルニア君も…」
だよね。それは知ってる。
空港まで、私を迎えに来てくれたから。
当たり前のように彼らと再会したから、全然気が付かなかった。
「組織」のメンバーが、私の知る頃よりずっと少なくなっている、なんて。
…そういえば。
「この歓迎会にも…。参加してない人が結構いるね。ただ忙しくて来られないだけかと思ったけど…」
「…そういう人は、もう『組織』から出て行っちゃったの」
…まさか、そんな。
私が「組織」にいた頃も、脱退希望者はゼロではなかったけれど…。
そんな、目に見えて脱退希望者が続出する、なんてことはなかった。
それなのに、どうして…。
この10年で、一体何があったの?
「本当に…ごめんね、ブロテちゃん。私の力が及ばないばかりに…」
マリアーネは泣きそうな顔で、深々と頭を下げた。
ちょっと、何それ。
「やめてよ、マリアーネ。あなたが謝る必要なんて…」
「…マリアーネ団長代理を、責めないでやって欲しい」
…マリアーネが、この話をするのを待っていたかのように。
振り向くと、私を空港まで迎えに来てくれたメンバーが…。
ユナやシャニーや、アンブロやセルニアが立っていた。
さっきまで笑顔だったのに、今はマリアーネと同様…顔を曇らせていた。
…皆…。
ようやく私は、彼女達が久々に帰ってきた私の為に、わざと明るく振る舞っていてくれたのだ、と気がついた。
仲間に気を遣わせるなんて、私という奴は…。
浮かれていた自分が、恥ずかしくなってきた。
…ともあれ、起きた事実に変わりはない。


