…すると、そこに。
「これは何の騒ぎだ?」
「大丈夫ですか?何があったんです?」
任務に出ていたルリシヤとルーチェスが、揃って戻ってきた。
お帰り。
こんなバッドニュースで出迎えなきゃならないなんて、私としても非常に不本意だよ。
「…ルーチェス。君の師匠が連行されたそうだよ」
「誰に?愛人?」
愛人だったら、まだ話はもう少し楽だったかもね。
「帝国自警団に」
と、いう驚きのニュースを伝えたにも関わらず。
「へぇ。是非とも現場に立ち会いたかったな」
「さすがルレイア師匠。人気者ですね」
…余裕だね。二人共。
君達が驚くところを見てみたいよ。
心配していない訳じゃないだろうけど。
案の定。
「その連行は、逮捕なのか?それとも保護?」
ルリシヤは、いの一番にそれを尋ねた。
そうだね。
ルレイアが連行された理由…それがはっきりすれば、多少なりとも安心出来る。
「保護だそうです」
と、華弦が答えた。
…そう、保護。保護か。
…それなら安心だ。
「ふむ、保護か…。それは良かったな」
「まぁ、そんなことだろうと思ってました」
ルリシヤもルーチェスも、ホッと胸を撫で下ろした様子…だったが。
「良かったな」というルリシヤの言葉を、シュノは聞き捨てならないとばかりに食って掛かった。
「良かった…!?何が良かったって言うの?ルレイアが連れて行かれたのに!」
あぁ、シュノ。違うんだよ。
ルリシヤは、そういう意味で言った訳じゃない。
「済まない、シュノ先輩。不幸中の幸いだと言いたかっただけだ」
「…」
「俺とて、ルレイア先輩を心配している。だが…逮捕されたのではないなら、希望はある」
「…」
シュノは何も言わず、涙を滲ませたまま俯いた。
ルルシーの方も、相変わらずだんまりを貫いている。
そんなシュノとルルシーを見て、華弦が言った。
「…お二人共かなり食い下がられたんです。でも…目の前でルレイアさんを連れて行かれてしまいまして」
「…そう」
「ルレイアさん本人が、大人しくついていくことに同意されたようで…」
…成程ね。
目の前で、みすみすルレイアを連れて行かせてしまって、二人共後悔してるんだね。
でも、ルレイア本人が同意したのなら…それほど心配しなくても良いだろう。
ましてや、保護目的で連れて行かれたなら…。
「ルレ公が連れて行かれただって…!?やべーじゃんそれ!助けに行こう!」
叫ぶアリューシャ。
仲間が連れ去られたなら、助けに行くのは当たり前。
それは、私も同意見だ。
だけど今回は…そんなに簡単な問題ではなさそうだ。
…すると、そこに。
「どうしたの。これは何の騒ぎ?」
「あ。アシュトーリアさん…」
『青薔薇連合会』首領のアシュトーリアさんが、エントランスにやって来た。
その堅い表情から、事の次第をある程度察しているのだろうと思った。
…助けに行くかどうか、は別の話にして。
すぐに話し合わなければならないだろうね。
「これは何の騒ぎだ?」
「大丈夫ですか?何があったんです?」
任務に出ていたルリシヤとルーチェスが、揃って戻ってきた。
お帰り。
こんなバッドニュースで出迎えなきゃならないなんて、私としても非常に不本意だよ。
「…ルーチェス。君の師匠が連行されたそうだよ」
「誰に?愛人?」
愛人だったら、まだ話はもう少し楽だったかもね。
「帝国自警団に」
と、いう驚きのニュースを伝えたにも関わらず。
「へぇ。是非とも現場に立ち会いたかったな」
「さすがルレイア師匠。人気者ですね」
…余裕だね。二人共。
君達が驚くところを見てみたいよ。
心配していない訳じゃないだろうけど。
案の定。
「その連行は、逮捕なのか?それとも保護?」
ルリシヤは、いの一番にそれを尋ねた。
そうだね。
ルレイアが連行された理由…それがはっきりすれば、多少なりとも安心出来る。
「保護だそうです」
と、華弦が答えた。
…そう、保護。保護か。
…それなら安心だ。
「ふむ、保護か…。それは良かったな」
「まぁ、そんなことだろうと思ってました」
ルリシヤもルーチェスも、ホッと胸を撫で下ろした様子…だったが。
「良かったな」というルリシヤの言葉を、シュノは聞き捨てならないとばかりに食って掛かった。
「良かった…!?何が良かったって言うの?ルレイアが連れて行かれたのに!」
あぁ、シュノ。違うんだよ。
ルリシヤは、そういう意味で言った訳じゃない。
「済まない、シュノ先輩。不幸中の幸いだと言いたかっただけだ」
「…」
「俺とて、ルレイア先輩を心配している。だが…逮捕されたのではないなら、希望はある」
「…」
シュノは何も言わず、涙を滲ませたまま俯いた。
ルルシーの方も、相変わらずだんまりを貫いている。
そんなシュノとルルシーを見て、華弦が言った。
「…お二人共かなり食い下がられたんです。でも…目の前でルレイアさんを連れて行かれてしまいまして」
「…そう」
「ルレイアさん本人が、大人しくついていくことに同意されたようで…」
…成程ね。
目の前で、みすみすルレイアを連れて行かせてしまって、二人共後悔してるんだね。
でも、ルレイア本人が同意したのなら…それほど心配しなくても良いだろう。
ましてや、保護目的で連れて行かれたなら…。
「ルレ公が連れて行かれただって…!?やべーじゃんそれ!助けに行こう!」
叫ぶアリューシャ。
仲間が連れ去られたなら、助けに行くのは当たり前。
それは、私も同意見だ。
だけど今回は…そんなに簡単な問題ではなさそうだ。
…すると、そこに。
「どうしたの。これは何の騒ぎ?」
「あ。アシュトーリアさん…」
『青薔薇連合会』首領のアシュトーリアさんが、エントランスにやって来た。
その堅い表情から、事の次第をある程度察しているのだろうと思った。
…助けに行くかどうか、は別の話にして。
すぐに話し合わなければならないだろうね。


