The previous night of the world revolution7~P.D.~

…すると、そこに。

「これは何の騒ぎだ?」

「大丈夫ですか?何があったんです?」

任務に出ていたルリシヤとルーチェスが、揃って戻ってきた。

お帰り。

こんなバッドニュースで出迎えなきゃならないなんて、私としても非常に不本意だよ。

「…ルーチェス。君の師匠が連行されたそうだよ」

「誰に?愛人?」

愛人だったら、まだ話はもう少し楽だったかもね。

「帝国自警団に」

と、いう驚きのニュースを伝えたにも関わらず。

「へぇ。是非とも現場に立ち会いたかったな」

「さすがルレイア師匠。人気者ですね」

…余裕だね。二人共。

君達が驚くところを見てみたいよ。

心配していない訳じゃないだろうけど。

案の定。

「その連行は、逮捕なのか?それとも保護?」

ルリシヤは、いの一番にそれを尋ねた。

そうだね。

ルレイアが連行された理由…それがはっきりすれば、多少なりとも安心出来る。

「保護だそうです」

と、華弦が答えた。

…そう、保護。保護か。

…それなら安心だ。

「ふむ、保護か…。それは良かったな」

「まぁ、そんなことだろうと思ってました」

ルリシヤもルーチェスも、ホッと胸を撫で下ろした様子…だったが。

「良かったな」というルリシヤの言葉を、シュノは聞き捨てならないとばかりに食って掛かった。

「良かった…!?何が良かったって言うの?ルレイアが連れて行かれたのに!」

あぁ、シュノ。違うんだよ。

ルリシヤは、そういう意味で言った訳じゃない。

「済まない、シュノ先輩。不幸中の幸いだと言いたかっただけだ」

「…」

「俺とて、ルレイア先輩を心配している。だが…逮捕されたのではないなら、希望はある」

「…」

シュノは何も言わず、涙を滲ませたまま俯いた。

ルルシーの方も、相変わらずだんまりを貫いている。

そんなシュノとルルシーを見て、華弦が言った。

「…お二人共かなり食い下がられたんです。でも…目の前でルレイアさんを連れて行かれてしまいまして」

「…そう」

「ルレイアさん本人が、大人しくついていくことに同意されたようで…」

…成程ね。

目の前で、みすみすルレイアを連れて行かせてしまって、二人共後悔してるんだね。

でも、ルレイア本人が同意したのなら…それほど心配しなくても良いだろう。

ましてや、保護目的で連れて行かれたなら…。

「ルレ公が連れて行かれただって…!?やべーじゃんそれ!助けに行こう!」

叫ぶアリューシャ。

仲間が連れ去られたなら、助けに行くのは当たり前。

それは、私も同意見だ。

だけど今回は…そんなに簡単な問題ではなさそうだ。

…すると、そこに。

「どうしたの。これは何の騒ぎ?」

「あ。アシュトーリアさん…」

『青薔薇連合会』首領のアシュトーリアさんが、エントランスにやって来た。

その堅い表情から、事の次第をある程度察しているのだろうと思った。

…助けに行くかどうか、は別の話にして。

すぐに話し合わなければならないだろうね。