The previous night of the world revolution7~P.D.~

歓迎会そのものは素晴らしかった。

友人や家族や仲間達と、再び言葉を交わすのは最高の気分だった。

それに、皆が用意してくれたルティス料理の数々。

もう、お腹がはち切れそうなくらい食べた。

「もういい加減よしたら?」と言われるくらい食べた。

本当は、もっと食べたかった。

こんなに美味しいものを用意してくれてたなら、空港で買い食いしなきゃ良かったなぁ。

でも、空港で食べたサンドイッチもアイスクリームも回転焼きも、それはそれでとても美味しかったから。後悔はない。

ただ、明日は胃もたれするかもなぁ。

美味しいものを食べて胃もたれするなら、本望だよ。

少しお酒も入って、ほろ酔い気分で満足していた私のもとに。

ひときわ感慨深い再会が待っていた。

「ブロテちゃん、久し振りだね」

「ん?おぉ…!マリアーネじゃないかー!」

歓迎会に遅れて駆けつけたのは、従姉妹のマリアーネだった。

私と違っておっとりした性格で、とても優しい子だ。

マリアーネは、私の記憶にある通りのたおやかな笑顔で、私の前に立っていた。

「会いたかったよ、ブロテちゃん…。お帰りなさい。歓迎会、遅れてごめんね。ちょっとバタバタしてて…」

「ううん、来てくれただけでも嬉しいよ、マリアーネ。ただいま…!」

私は両腕を広げて、マリアーネを軽く抱擁した。

マリアーネも、喜んでそれを受けてくれた。

あぁ、やっぱり家族との再会は、喜びもひとしお。

特に、このマリアーネは…。

彼女には、二重の意味で聞きたいことがたくさんある。

でもまぁ、今は歓迎会だし。

「さ、マリアーネも飲んで飲んで。乾杯しよう」

「あ、いや私は…。お酒飲めないから、ジュースで…」

「もう、マリアーネったら…相変わらず下戸なんだから」

マリアーネはお酒を受け付けないタイプで、飲んだらすぐ酔っ払っちゃうらしい。

まぁ、そういうことなら無理に勧めるのはやめて…。

「じゃ、私がマリアーネの代わりに飲み明かすね」

「…程々にね、ブロテちゃん…」

それはどうかなぁ。

今夜の私は、もうテンション爆上がりだからね。

今日ハメを外さずに、いつ外すんだって感じ。

シャンパングラスの中身をぐいっと呷り、ご機嫌の私は。

何の気なしに、マリアーネに尋ねた。

「最近どう?何か変わったことはない?」

ちょっとした世間話のつもりだった。

この国の、現在の情勢がどうなっているかについては…詳しくは明日以降に聞くつもりだった。

今日くらいは、仲間達との再会の喜びを謳歌し。

仕事の話は、明日以降にしようと。

でも、折角マリアーネが隣にいるのだ。

「私達の所属する組織」の団長代理であるマリアーネが。

だから私は、世間話のつもりでマリアーネにそう尋ねたのだ。

…しかし。

マリアーネは、私が質問した途端に顔を曇らせた。

…え?