…お店?

って、何の店だ?

それは、わざわざ俺の部屋でやらなければならないことなのか?

何屋だろうな…。さっきアリューシャが大将って言ってたし、ラーメン屋か…?

ルレイアがラーメン屋って、あんまりイメージじゃないけど。

でも、以前幹部組でラーメン食べに行ったことあるしなぁ。

何を考えているのか知らないが、何故それを俺の部屋でやるのか…。

…すると。

「こんにちはー。お待たせしました」

「あ、ルレイア!」

大きなクーラーボックスのようなものを肩から提げて、ルレイアが登場。

シュノは、ぱっと顔を輝かせていた。

…しかも。

「華弦…?」

ルレイアの後ろから、準幹部の華弦が一緒についてきた。

華弦が俺の部屋に来るなんて、これは珍しい。

いつも幹部組だけだもんな。

準幹部まで集まるようになったら、いよいよ俺は部屋の引っ越しを考える。

学生の溜まり場じゃねーんだぞ、ここは。

そして華弦もまた、ルレイアと同じくクーラーボックスを持っていた。

華弦は…何で来たんだ?ルレイアに巻き込まれたのか…?

だとしたら、とても気の毒である。

「おせーよ!開店時間過ぎてんぞ」

「済みません。思いの外準備に時間がかかってしまって…。でも、しっかり用意してきましたよ」

…何を?

「楽しみだな。ルーチェス後輩」

「えぇ。さすがルレイア師匠ですよね〜。発想が斬新で奇抜で…」

「ルレイア先輩のセンスの良さを実感するな」

…ルリシヤとルーチェスは、何を言ってるんだ?

ルレイアのセンス?

あいつはただ、黒くてゴスロリが好きなだけだろ。

あれはセンスと言えるのか?

「それでは皆さん、大変長らくお待たせしました」

ルレイアは、パンと手を叩いてそう言った。

俺は別に待ってないけど…、

「ただいまより、一日『ブラック・カフェ』開店です!」

…。

…一日…「ブラック・カフェ」?

…ちょっと意味が分からないから、説明してもらっても良いだろうか?