「来てくれてたんだね、ユナ。ありがとう」
「もうニ時間近く前から来て、あなたが戻るのを待ってたのよ。全くもう…何ぶらぶらしてるのよ」
おっと。それは申し訳ない。
随分長い間待たせてしまったらしい。
「ごめんごめん、お待たせ。いや、本当はすぐ空港を出るつもりだったんだけど…」
「その、手に持ってる食べ物は何?」
「あぁこれ、回転焼きだよ。ユナにもあげるよ。五つ買ったから」
五つ買っておいて良かった。
「回転焼きって…あなたねぇ…」
「つい、祖国の食べ物が美味しそうでね。サンドイッチを食べて、アイスクリームを食べて…。それからこれを買っちゃった。いやぁ、やっぱりルティス帝国の食べ物は最高だね!」
「…はぁ…」
呆れたユナは、何か言いたそうな顔をしながらも、結局溜め息一つで全てを諦めた。
いや、本当に申し訳ない。
「相変わらず自由奔放なんだから…。変わらないわね、ブロテは」
ほう?
10年以上も留学して、「変わらない」と言われるのはちょっと心外だ。
でも、そうだね。
私の根っこ、根底にある部分は…10年前から、何も変わってないよ。
「そう言うユナは…。…ちょっと太った?」
悪戯心で、冗談めかして言ってみると。
ユナは恐ろしい顔で、じろっと私を睨んだ。
おぉ、怖い怖い。
「あんたね…。それ以上言うと、アシスファルト帝国に送り返すわよ」
「ご、ごめんって。軽い冗談だよ…」
「冗談でも、言って良いことと悪いことってものがあるのよ」
「本当に悪かったよ。ユナはユナだよ。変わらず、私の一番の親友だから」
「…全く…」
またしても、ユナは溜め息をついた。
私のせいで溜め息ばかりつかせて、いやはや、申し訳ない。
私が帰ってきたからには、しっかり活躍してみせるから、ご安心を。
「とにかく、本部に戻るわよ。駐車場に車を待たせてあるわ」
「おぉ、ありがとう。準備が良いね」
「皆、あなたが帰ってくるのを待ってたのよ」
…そうだったね。
長い間待たせて、皆には迷惑をかけた。
「ユナの他に、誰が迎えに来てるの?」
「アンブロとシャニー、それからセルニアよ」
ほほう。それは嬉しいメンバーだ。
しかも、私とユナを合わせて、丁度五人じゃないか。
回転焼き、五つ買っておいて正解だった。
迎えにきてくれた彼らにも、お裾分けするとしよう。
「駐車場で待ってるわ。行きましょう」
「分かった」
故郷の食べ物への誘惑は、あっという間に消えた。
それよりも私は、祖国で私の帰りを待っていてくれた仲間達に、早く会いたくて堪らなかった。
「もうニ時間近く前から来て、あなたが戻るのを待ってたのよ。全くもう…何ぶらぶらしてるのよ」
おっと。それは申し訳ない。
随分長い間待たせてしまったらしい。
「ごめんごめん、お待たせ。いや、本当はすぐ空港を出るつもりだったんだけど…」
「その、手に持ってる食べ物は何?」
「あぁこれ、回転焼きだよ。ユナにもあげるよ。五つ買ったから」
五つ買っておいて良かった。
「回転焼きって…あなたねぇ…」
「つい、祖国の食べ物が美味しそうでね。サンドイッチを食べて、アイスクリームを食べて…。それからこれを買っちゃった。いやぁ、やっぱりルティス帝国の食べ物は最高だね!」
「…はぁ…」
呆れたユナは、何か言いたそうな顔をしながらも、結局溜め息一つで全てを諦めた。
いや、本当に申し訳ない。
「相変わらず自由奔放なんだから…。変わらないわね、ブロテは」
ほう?
10年以上も留学して、「変わらない」と言われるのはちょっと心外だ。
でも、そうだね。
私の根っこ、根底にある部分は…10年前から、何も変わってないよ。
「そう言うユナは…。…ちょっと太った?」
悪戯心で、冗談めかして言ってみると。
ユナは恐ろしい顔で、じろっと私を睨んだ。
おぉ、怖い怖い。
「あんたね…。それ以上言うと、アシスファルト帝国に送り返すわよ」
「ご、ごめんって。軽い冗談だよ…」
「冗談でも、言って良いことと悪いことってものがあるのよ」
「本当に悪かったよ。ユナはユナだよ。変わらず、私の一番の親友だから」
「…全く…」
またしても、ユナは溜め息をついた。
私のせいで溜め息ばかりつかせて、いやはや、申し訳ない。
私が帰ってきたからには、しっかり活躍してみせるから、ご安心を。
「とにかく、本部に戻るわよ。駐車場に車を待たせてあるわ」
「おぉ、ありがとう。準備が良いね」
「皆、あなたが帰ってくるのを待ってたのよ」
…そうだったね。
長い間待たせて、皆には迷惑をかけた。
「ユナの他に、誰が迎えに来てるの?」
「アンブロとシャニー、それからセルニアよ」
ほほう。それは嬉しいメンバーだ。
しかも、私とユナを合わせて、丁度五人じゃないか。
回転焼き、五つ買っておいて正解だった。
迎えにきてくれた彼らにも、お裾分けするとしよう。
「駐車場で待ってるわ。行きましょう」
「分かった」
故郷の食べ物への誘惑は、あっという間に消えた。
それよりも私は、祖国で私の帰りを待っていてくれた仲間達に、早く会いたくて堪らなかった。


