The previous night of the world revolution7~P.D.~

さて、食べ物を堪能した後は。

「まだ時間あるな…。グッズでも見て回るか?」

と、ルルシー。

別に構わないんですが…。

「グッズなら、全種類持ってるんですよね。事前にサンプルもらったんで」

「あ、そうか…」

「在庫には予備もありますから。ルルシーも、欲しいグッズがあったら俺に言ってくださいね。何なら、『frontier』のメンバーに頼んでサイン付きにしてあげますから」

「権力の濫用はやめろって」

いやいや、これはほら…役得みたいなものですよ。

スポンサーですから。俺。

え?やりたい放題やってるだけだろうって?

…は?

「よし。それじゃあルルシー、舞台裏に行きましょうよ」

「え?舞台裏?」

「本番前の『frontier』に会いに行くんです。そろそろ準備を整えてる頃でしょうし」

滅多に見られるものじゃないぞ。楽屋で控えているアーティストなんて。

それに、俺の予想が正しかったら。

「きっと今頃、ルトリアさんは面白いことになってるでしょうから。見に行きましょうよ」

本番前のあの人は、いつも挙動不審ですからね。

あの状態のルトリアさんを見られる機会は、なかなかないですよ。

それこそ、俺のような特権を持っている人物でないと。

「おま、そんな冷やかしみたいなこと…」

「さぁさぁ、行きましょうルルシー。ルルシーは特別ですよ〜」

他の観客には、当然見せてあげない。

ルルシーだけですよ?こんな特別扱いは。

俺はルルシーと腕を組んで、『frontier』が控えている楽屋に移動した。