夏フェス会場では、他にも様々なコラボメニューを売っている。
「ルルシー、あっちも食べに行きましょう」
「今度は何だ…?」
「ほら、あれです」
俺は、ソフトクリームと同じく長蛇の列を作っているキッチンカーを指差した。
大きな看板に、目玉のコラボメニューの写真が大々的に貼り出されていた。
いやはや、これもまた良い色だ。
「ね?美味しそうでしょう?」
「…」
しかし、ルルシーは無言。
無言のまま、しかも真顔で看板を見つめていた。
きっとあまりに美味しそうで、言葉を失ってるんだろうなぁ。
分かる分かる。分かりますよ。
こちらの商品も、企業努力の賜物ですから。
「…これは何なんだ?」
「サンドイッチですよ」
それも、流行りのフルーツサンドという奴だ。
生クリームとフルーツが挟まれているサンドイッチ。
「それは見たら分かる。…何でサンドイッチが黒いんだ?」
「ただのサンドイッチじゃありません。夏フェス限定、ブラックサンドイッチですから」
格好良いネーミングだと思いませんか。
こちらの商品も、先程のソフトクリームと同様。
サンドイッチのパンも、挟んでいる生クリームも、フルーツも、全てが真っ黒である。
「…食欲失せる色だな…」
と、ルルシー。
何処が?
めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか。
「じゃあ、これも買ってきますね」
「あ、こら。普通に並べよ。裏口入店するな」
「こんにちはー。ルレイアですよーさっさと売ってください」
「不正をするな馬鹿。不正を」
ルルシーに怒られながら、俺は再び店員に顔を見せ、特別に待ち時間なしで購入。
え?ズルい?
スポンサー特権ですが、何か問題でも?
権力っていうのは使う為にあるんですよ。
「どうぞ、ルルシー。食べてみてください」
「食欲は全くそそられないが…。…味は悪くないな」
「でしょう?」
この見た目と味で、話題沸騰間違いなしですよ。
「他には何が食べたいですか?ルルシー」
「え?いや、別に…。…ちなみに、他には何があるんだ?」
他には?
色々ありますよ。
三日目通い詰めても観客が飽きないよう、かなりの種類を用意させたから。
「屋台の定番、焼きそばやピザやクレープや…」
「へぇ。そんなのもあるのか…」
「あとはかき氷とか、チョコバナナとか。きゅうりの一本漬けなんかもありますよ。夏ですからね」
「意外と普通なのもあるんだな」
黒ソフトクリームと黒サンドイッチが普通じゃなかった、みたいに言わないでくださいよ。
「ちなみに、それらも全部黒です」
「…ピザとかクレープはまだ分かるが、黒いかき氷と黒いきゅうりは何なんだ…?」
それはあれですよ。
企業秘密って奴です。
「今回の夏フェスのテーマは、『ブラックサマー』ですから」
「何でもかんでも、黒ければ良いってもんじゃないだろ…」
俺は良いと思いますけどね。
現に、この三日間…フードメニュー含むコラボグッズの数々、めちゃくちゃ売り上げ良いですから。
黒は需要があるってことですね。
「ルルシー、あっちも食べに行きましょう」
「今度は何だ…?」
「ほら、あれです」
俺は、ソフトクリームと同じく長蛇の列を作っているキッチンカーを指差した。
大きな看板に、目玉のコラボメニューの写真が大々的に貼り出されていた。
いやはや、これもまた良い色だ。
「ね?美味しそうでしょう?」
「…」
しかし、ルルシーは無言。
無言のまま、しかも真顔で看板を見つめていた。
きっとあまりに美味しそうで、言葉を失ってるんだろうなぁ。
分かる分かる。分かりますよ。
こちらの商品も、企業努力の賜物ですから。
「…これは何なんだ?」
「サンドイッチですよ」
それも、流行りのフルーツサンドという奴だ。
生クリームとフルーツが挟まれているサンドイッチ。
「それは見たら分かる。…何でサンドイッチが黒いんだ?」
「ただのサンドイッチじゃありません。夏フェス限定、ブラックサンドイッチですから」
格好良いネーミングだと思いませんか。
こちらの商品も、先程のソフトクリームと同様。
サンドイッチのパンも、挟んでいる生クリームも、フルーツも、全てが真っ黒である。
「…食欲失せる色だな…」
と、ルルシー。
何処が?
めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか。
「じゃあ、これも買ってきますね」
「あ、こら。普通に並べよ。裏口入店するな」
「こんにちはー。ルレイアですよーさっさと売ってください」
「不正をするな馬鹿。不正を」
ルルシーに怒られながら、俺は再び店員に顔を見せ、特別に待ち時間なしで購入。
え?ズルい?
スポンサー特権ですが、何か問題でも?
権力っていうのは使う為にあるんですよ。
「どうぞ、ルルシー。食べてみてください」
「食欲は全くそそられないが…。…味は悪くないな」
「でしょう?」
この見た目と味で、話題沸騰間違いなしですよ。
「他には何が食べたいですか?ルルシー」
「え?いや、別に…。…ちなみに、他には何があるんだ?」
他には?
色々ありますよ。
三日目通い詰めても観客が飽きないよう、かなりの種類を用意させたから。
「屋台の定番、焼きそばやピザやクレープや…」
「へぇ。そんなのもあるのか…」
「あとはかき氷とか、チョコバナナとか。きゅうりの一本漬けなんかもありますよ。夏ですからね」
「意外と普通なのもあるんだな」
黒ソフトクリームと黒サンドイッチが普通じゃなかった、みたいに言わないでくださいよ。
「ちなみに、それらも全部黒です」
「…ピザとかクレープはまだ分かるが、黒いかき氷と黒いきゅうりは何なんだ…?」
それはあれですよ。
企業秘密って奴です。
「今回の夏フェスのテーマは、『ブラックサマー』ですから」
「何でもかんでも、黒ければ良いってもんじゃないだろ…」
俺は良いと思いますけどね。
現に、この三日間…フードメニュー含むコラボグッズの数々、めちゃくちゃ売り上げ良いですから。
黒は需要があるってことですね。


