The previous night of the world revolution7~P.D.~

俺はその日、気合を入れておめかしをして、ルルシーと共に夏フェス会場にやって来た。

ルルシーは、俺と一緒にライブデートするのが恥ずかしかったのか、「お前らだけで勝手に行け」とか、シャイな照れ隠しを口にしていたけど。

だったら恥ずかしくないように、アリューシャに麻酔弾を撃ってもらって、痺れてる間に連れてこようと思ったら。

大人しく一緒についてきてくれた。幸せ。

全くもう、ルルシーったら本当シャイなんだから。

しゅき。

「凄い熱気だな…。熱中症になりそうだ…」

ルルシーは額に滲んだ汗を、ハンカチで拭いながら言った。 

夏ですからね。

おまけに、今回は屋外でのイベントだから、天候の良し悪しに左右される。

こればかりは予測不可能なので、雨が降らないことを祈るばかりだったが…。

「まぁまぁ、雨降らなくて良かったじゃないですか。絶好のライブ日和ですよ」

「そうだな」

雲一つない。晴天である。

最終日の今日だけではなく、昨日も一昨日も、夏フェスが行われた三日目ずっと天気は良かった。

雨や台風の心配は、必要なかったようだ。

「俺の日頃の行いですね〜」

「…」

え?ちょっとルルシー?何で黙るんですか?

きっとまだ照れているんだろう。そうに違いない。

ルルシーって本当にシャイですから。

「…それで?ルリシヤやシュノ達と合流するんじゃないのか?」

何故話題を変えるんですか。

まぁ良いか。

「その予定ですけど、合流は最後のライブのときにしようって約束なんです」

「あぁ、そうなのか…。じゃあ、それまではこの会場の何処かで、各々好きなようにフラフラしてるってことだな」

「そうですね」

夏フェス会場には、様々なコラボメニューを販売する屋台や、キッチンカーなども並んでいる。

食べ物のみならず、その他様々なイベントが盛りだくさんだ。

一日中会場にいても飽きないように、との策略である。

これほど大きなイベントの準備をするのは、非常に骨が折れたけど…。

その分のもとは、充分に取れそうだ。

「じゃあルルシー。俺達もライブの時間になるまで、一緒にデートしましょうか」

「何だよデートって。誰がそんなこと…」

「あ、ほらルルシー。あそこに珍しい食べ物がありますよ〜」

「おい、こら」

俺は強引に、ルルシーの腕を引っ張った。

こうでもしなきゃ、ルルシーったら恥ずかしがって動いてくれないんだから。

しゅき。