帝国騎士団と帝国自警団の間には、互いの中立性を保つ為、互いに不干渉と不可侵の原則がある。
帝国騎士団は帝国自警団のやることなすことに、口も出さないし手も出さない。
少なくとも、求められない限りは何の意見もしない。
奴らが『青薔薇連合会』に何をしようと、それは自警団の勝手だ。
好きにすれば良い。帝国騎士団には関係ない。
逆に言えば、帝国自警団もまた、帝国騎士団のやることなすことに口を出す権利はないってことだ。
お互いがお互いに何をしていようと、知ったことじゃない。
アストラエアの言う通り、関係のない話だ。
…『青薔薇連合会』としても、俺達に口を挟まれたくないだろうしな。
「小うるさい自警団を諌めてくれ」と頼ってくるような可愛げはない。
従って、俺達は黙って『青薔薇連合会』と帝国自警団の動向を見守っているだけで良い…。
…とは思うが。
「…だからって、遊び呆けて良い訳じゃないんだぞ」
「…」
「おい、お前に言ってるんだぞオルタンス」
「ん?」
自分は関係ないみたいな顔をするな。お前のことだぞ。
「…どうかしたか?」
それはこっちの台詞だ。
「お前が何をしてるんだよ。それは何だ」
「これか?これは推し活の一環だ」
…またよく分からん言葉が出てきた。
…おしかつ…?
意味は知らんが、多分知らなくても一生生きていけそうな気がする。
何故ならオルタンスの手元には、キラキラしたシールやスタンプをぺたぺた押しまくった、やたら豪華なうちわや。
同じデザインの缶バッジが山程くっついた、透明なバッグなどが置いてあった。
あれは自分で作ったのだろうか。
仕事を真面目にやっている以上、お前が執務室にこもって何を作っていようと、それはお前の勝手だけどさ。
何故、それをわざわざ会議室に持ってくる?
見せたいのか?見せびらかしたかったのか?
「何個あるんだ、その缶バッジ。一つで良いだろ」
「それは違うぞアドルファス。こうして同じ推しの缶バッジを大量につけることによって、推しへの愛を現しているんだ」
大量にくっつけたら、愛を現したことになるのか。
安い愛だな。
「そしてこの缶バッジは、今回の夏フェス限定なんだ」
…夏フェス…?
「会場でもグッズ販売はしているが、『frontier』のグッズはいつも何処でも、売り切れ必至だからな。今回はインターネットサイトの事前販売から参戦し、無事推しグッズを確保させてもらった」
「…」
「ファンクラブメンバー会員限定とはいえ、オンラインでグッズを前売り販売してくれたルレイアには、心から感謝しないとな。そうでもしなければ、推しグッズを揃えることは出来なかった」
「…」
「…はぁ、尊い」
「…」
…全然分かんないんだけどさ。
知りたくもないんだけどさ。
オルタンスお気に入りの…『frontier』とかいうアーティストのボーカル。ルトリアだっけ?
そいつの顔写真がプリントされた、大量の缶バッジを恍惚として眺めている、オルタンスを見たら。
俺達の悩みなんて、本当どうでも良くなるよな。
そりゃ自警団の奴らも、帝国騎士団の…って言うか。
帝国騎士団長のあまりの能天気っぷりに、危機感を覚えるのも当然ってもんだ。
帝国騎士団は帝国自警団のやることなすことに、口も出さないし手も出さない。
少なくとも、求められない限りは何の意見もしない。
奴らが『青薔薇連合会』に何をしようと、それは自警団の勝手だ。
好きにすれば良い。帝国騎士団には関係ない。
逆に言えば、帝国自警団もまた、帝国騎士団のやることなすことに口を出す権利はないってことだ。
お互いがお互いに何をしていようと、知ったことじゃない。
アストラエアの言う通り、関係のない話だ。
…『青薔薇連合会』としても、俺達に口を挟まれたくないだろうしな。
「小うるさい自警団を諌めてくれ」と頼ってくるような可愛げはない。
従って、俺達は黙って『青薔薇連合会』と帝国自警団の動向を見守っているだけで良い…。
…とは思うが。
「…だからって、遊び呆けて良い訳じゃないんだぞ」
「…」
「おい、お前に言ってるんだぞオルタンス」
「ん?」
自分は関係ないみたいな顔をするな。お前のことだぞ。
「…どうかしたか?」
それはこっちの台詞だ。
「お前が何をしてるんだよ。それは何だ」
「これか?これは推し活の一環だ」
…またよく分からん言葉が出てきた。
…おしかつ…?
意味は知らんが、多分知らなくても一生生きていけそうな気がする。
何故ならオルタンスの手元には、キラキラしたシールやスタンプをぺたぺた押しまくった、やたら豪華なうちわや。
同じデザインの缶バッジが山程くっついた、透明なバッグなどが置いてあった。
あれは自分で作ったのだろうか。
仕事を真面目にやっている以上、お前が執務室にこもって何を作っていようと、それはお前の勝手だけどさ。
何故、それをわざわざ会議室に持ってくる?
見せたいのか?見せびらかしたかったのか?
「何個あるんだ、その缶バッジ。一つで良いだろ」
「それは違うぞアドルファス。こうして同じ推しの缶バッジを大量につけることによって、推しへの愛を現しているんだ」
大量にくっつけたら、愛を現したことになるのか。
安い愛だな。
「そしてこの缶バッジは、今回の夏フェス限定なんだ」
…夏フェス…?
「会場でもグッズ販売はしているが、『frontier』のグッズはいつも何処でも、売り切れ必至だからな。今回はインターネットサイトの事前販売から参戦し、無事推しグッズを確保させてもらった」
「…」
「ファンクラブメンバー会員限定とはいえ、オンラインでグッズを前売り販売してくれたルレイアには、心から感謝しないとな。そうでもしなければ、推しグッズを揃えることは出来なかった」
「…」
「…はぁ、尊い」
「…」
…全然分かんないんだけどさ。
知りたくもないんだけどさ。
オルタンスお気に入りの…『frontier』とかいうアーティストのボーカル。ルトリアだっけ?
そいつの顔写真がプリントされた、大量の缶バッジを恍惚として眺めている、オルタンスを見たら。
俺達の悩みなんて、本当どうでも良くなるよな。
そりゃ自警団の奴らも、帝国騎士団の…って言うか。
帝国騎士団長のあまりの能天気っぷりに、危機感を覚えるのも当然ってもんだ。


