何度か記していますが、自分の小説創作スタイルは、まず着想を得たエピソードをショートパーツの下書きとしてラフで書き綴ります。
その際、いきなり単体作品への執筆には入らず、とりあえずストックしておきます。
ですから、この時点では起承転結はあえてスルー。

で…、日々湧き出る長編の作品イメージが概ね固まったところで、ストックパーツの作品群から挿入話として使えそうなエピソードをピックアップして、当該長編作品に肉付けしていく手法が自分流の執筆プロセスな訳です。

本作は『死グナル』という長編まではいかない短編ストーリーを連作で紐付けしたSFモードホラー作品へ冒頭部に回想エピソードの一部に挿入したパーツストックです。

その”畳のウラ”というストックパーツも、いわゆるオチや起承転結というセオリー上の結末はありませんでした。
要は面川伊太造の因果深き所業の顛末を経過記述したに過ぎないのですが、『死グナル』に挿入話として紐付けしたことにより、ストック時までのオリジナル話では伊太造の息子から告白を受けるに過ぎない畳職人の小原源吉を媒体として”その先”が誕生しました。

そこで、『死グナル』という作品によって得られた”その後”をベースに再編集して今回、あくまで単体作品としての『畳のウラ』を執筆、アップしたし次第です。

まあ、作者的には、オーソドックで納めすぎたかな…、もう少し”遊び”を加えてもよいかったかなという思いはありまして…。
よろしければ、『死グナル』もあわせてご一読いただければと存じます。




遥陰ーハルカカゲー