ねぇ、ちょうだい?



「おっ、今日もうまそう。俺の分あるんだろ?」


 と、壮馬がこちらに来てそう言った。


「もちろん」


 私がワッフルの入った袋を渡そうとすると、


「あ、ごめん、ちょっと後でもらうわ。これ職員室に持って行かなきゃなんだよな」


 と、私たちに大量のノートを見せる壮馬。


「あ、そうなんだ。じゃあ後で渡すね」


「おう」


 そして私たちは壮馬を見送ってから、一緒にお弁当を食べ始めた。


 …その時。


 ガララララッ!


 急に教室のドアが大きな音を立てて開いた。


 私たちはもちろん、この教室にいた全員がそのドアの方へと視線を集めた。


 そしてそこにはーー…、


 ドアから半分身を乗り出して、気だるげに私たちのいる教室を覗き込んでいる1人の男の先輩がいた。