「…大丈夫だよ!もう渡さないから。…ーーごめんね?心配かけて」


 と、七海は急に顔を上げて言った。


「え、渡さないって、何を?」


 と意味がわかっていない壮馬をよそに、カバンの中をあさる七海。


「…ーーはいこれ!蒼桜に」


 と、七海が袋を私に手渡す。


「これは壮馬に!」


 と、私と同じ袋を壮馬に渡した。


 七海から渡された袋と私に渡された袋を見比べて、壮馬は少し残念そうな顔をした。


「ありがとな、七海」


 壮馬はそう言って、友達のところへ去っていった。


「…七海、本当にいいの?やっぱり直接聞いた方がーー」


 と私が言ったが、


「ん〜美味しい!やっぱお弁当って美味しいよね〜」


 という七海の言葉に遮られてしまった。


 …後悔、しないといいけど。