ねぇ、ちょうだい?



「お客様、2名様ですか?」


 近くに来た店員さんが、私たちに話しかける。


 そして先輩がはい、と返事をする。


「ただいまカップルでご来店していただくと、スペシャルスイーツをご注文いただけるキャンペーンを実施しておりますが、いかがなされますか?」


 カ、カップル!?


 さっきまで考えていたことが急に現実に出て来て、一気に顔が赤く染まる私。


「お願いします」


 しかし、先輩は落ち着いた声色でそう言った。


 …先輩!?


「わかりました。…それではお席に案内いたします」


 そして私たちは2人掛けのテーブル席へと案内された。


「先輩、私たちカップルって思われちゃいますよ!」


 と、私は小声で先輩に言った。


「今からでも違いますって言った方が…」


 地味で平凡な私と、人気者の先輩とじゃあ、全然釣り合ってないし。


「…なんで?」


「なんでって…」


「七海は俺とカップルに見られるの、やなの?」


 と、先輩が私の目をじっと見つめて言った。


「や、じゃ…ない、です」


 としぼり出すようにして私が言うと、


「…ならいーよ」


 と言って笑った。