ねぇ、ちょうだい?



 すると先輩は少し私の方を見上げて、んあっ、と口を少し開けて、自分で口を指差した。


「…言ったでしょ?お仕置きだって」


 …なにこれ。


 先輩に食べさせるとか、恥ずかしすぎる…っ!


「あーん、して?」


 私は先輩に逆らえなかった。


 お菓子の入った袋を開け、中から1つクッキーを手に取った。


 そしてその端っこを持って、クッキーを先輩の口元へと運んだ。


 サクッ、サクッと音を立てて、少しずつクッキーを食べる先輩。


 しかしその視線はなぜか私に注がれていた。


 先輩がクッキーを食べる音が、私たち以外誰もいない屋上に響く。


 …そして、先輩の唇が、私の指にあたった。


「…っ!?」


 驚いた私はすぐに手を引っ込めようとしたけれど、すぐに先輩の手が私の腕を掴んで、それを許さなかった。


 そして先輩の顔が私の手に近づいて、そのまま私の指を舐めた。


「ごちそーさま」


 そう言って笑う先輩の顔が太陽の光に照らされて、とても胸が締め付けられた。


 先輩が私にそう言うのは2回目。


 だけど、1回目と比べて、少し楽しそうな声色だった。


 …もしかして先輩、私のことからかってる?