ねぇ、ちょうだい?



 私はいつものように、壁を背にして先輩と並んで座る。


「今日は何を作って来てくれたの?」


 という先輩の言葉に、私はずっと手に持っていたクッキーの袋を見せる。


「今日はクッキーです」


 そしていつものように渡そうとするーーが、先輩は受け取ってくれない。


「せ、先輩?」


 やっぱり私、嫌われてた…?


 なんてそんなことを思っていると、


「…きゃっ!」


 急に先輩の手が伸びて来て、私の身体を軽々と持ち上げた。


 そしてそのまま私は先輩の膝の上に。


 いつもは私が見上げる立場だけど、今は先輩を見下ろしている。


 上から見る先輩は、とても新鮮だった。


「えっ、先輩どうしたんですか…!?」


 困惑している私をイタズラっぽく笑いながら見つめる先輩。


 そして先輩の腕が私の腰にまわり、顔を私にうずめながらギュッと抱きしめられ、


「…ーー七海。お菓子、食べさせて」


 というくぐもった声が聞こえた。


「た、食べさせてって…」