「今日さ、なんかいつもよりも作りすぎちゃって…。また食べたくなったら言ってね」
と、カバンの中に入った3つの袋を蒼桜に見せる。
私はいつも私の分と蒼桜の分、そして幼なじみの分を合わせた3つしか作らないんだけど、今日はなんかさらに2つも作っちゃった。
…私、お菓子作ってると時間忘れて夢中になっちゃって、いつのまにか大量生産してしまうことがよくあるんだよね。
「お、七海なんかおいしそうなもの持ってんじゃん」
と、私が蒼桜に見せていた袋をのぞきこんだのは、さっき言った幼なじみの伊月(いつき)壮馬(そうま)。
「壮馬の分もあるよ。…はい、どうぞ」
と、私はチョコレートの袋を1つ壮馬に手渡した。
「よっしゃ!七海のお菓子はいつもうまいからな〜」
蒼桜もだけど、壮馬もいつも褒めてくれるんだよね。
私、そんなにうまくないのに…。
壮馬は私から袋を受け取ると、友達のところへと戻って行った。
そして私と蒼桜は、2人でチョコレートを食べながら会話を交わしてお昼休みを終えた。