ねぇ、ちょうだい?



「自分がなんで私に呼ばれたか、わかる?」


 人気の少ない体育館裏に連れてこられた私に、女の先輩が言う。


 …なんか私、最近先輩に呼び出されること多くない?


 ホントにやめてほしい…。


「わ、わかりません…」


 私がそう言うと、


「ほんっとーにわかんない?」


 と、女の先輩はさらに詰め寄って来た。


「…はい」


 私は消え入りそうな声でそう言った。


 …本当に身に覚えがないんです。


「そう。じゃあ教えてあげるわ。…あなた最近、櫂(かい)と仲良いよね?」


 …櫂?


 すると女の先輩は私がピンと来てないからか、無言だったからか、


「櫂よ!早乙女櫂!」


 と、さらに大きな声で言った。


 え、さ、早乙女先輩って下の名前、櫂っていうんだ…。


「あ、いや、そんな仲良いってほどじゃ…」