ねぇ、ちょうだい?



 4限目が終わるチャイムが鳴って、私はすぐに先輩の元へ行く準備を始めた。


 最初はなんとなく引き受けたお菓子作りだったけど、先輩が美味しいと言ってくれるのが嬉しくて、最近は先輩に食べてもらうのがとても楽しみになって来ている。


 私は今日作って来たマシュマロの入った袋を手に取って、先輩の所へ行こうとすると、


「…七海、またアイツのとこへ行くのか?」


 と、壮馬に後ろから声をかけられた。


「うん、そうだよ」


 アイツ、というのはもちろん早乙女先輩のこと。


 壮馬、先輩なのにアイツ呼びはどうなんだろう。


「…そっか」


 壮馬はそれだけ言うと、友達のところへ戻って行った。


 壮馬、なんだったの?


 ま、いいか。


 私は教室を出て、屋上に向かった。