ねぇ、ちょうだい?



「…キミさ、昨日俺にチョコくれた人だよね。匂いでわかった」


 …チョコ?


 私、早乙女先輩にチョコとかあげたっけ…って、


「…っあ!!」


 記憶の中のパズルのピースが噛み合って、思わず大きな声をあげてしまい、先輩がビクッと肩を震わせた。


「先輩のこと、どこかで見たことがあるなと思っていたんですよ!」


 グイグイッと、今度は逆に先輩に詰め寄るように言う私。


 その勢いに、先輩が後ずさりをした。


「昨日の放課後、踊り場にいましたよね!」


 そこまで言って、私は我にかえった。


 先輩の私を見る目が、とても引いていた。


「…あ、す、すいません」


 初対面の人に、しかも先輩に対してこんな態度をとってしまって、恥ずかしさと後悔でいたたまれなくなり、私はうつむいた。