すると、急に左腕が持ち上がって、私の体が椅子から浮いた。


「…来て」


 先輩はそう言うと、私の左腕を掴んだまま歩き出した。


「ぎゃぁぁあ!」


 今度は悲鳴に似た声を背に受けながら、私は先輩に連れて行かれてしまった。