わたしだけ。
いつもわたしだけがふり回される。
抱きしめられたからなのか、おじいちゃんに見つかりそうになったからなのかわからないけれど、いまだにドクンドクンと胸が騒いでる。
……わたしだけが。
──これが、今のわたしと斑の関係。
守られるものと守るもの。
だけど一方はそれだけの関係にとどまらず、もう一方はそれだけの関係でしかない。
どうにかしてこの差を埋めたい。
そう思うのに、相手の気持ちがわからないと一歩が踏み出せない。
踏み出したところで関係がいい方向に変わるとは限らないし、変えられる自信もない。
──それがわたしの現状だ。