「苫。ここはどうだ?」
まもなくして、おじいちゃんが戻ってきた。
戻ってくるなり、テーブルの上に写真の束をどばっと置いた。
色褪せたようなレトロ写真の数々。どの写真にも学生服を着た男女と自然の風景が写っている。
「これって……!」
「いま電話で軽く確認とったら大丈夫だってよ」
「ほんとに⁉︎」
やっぱりおじいちゃんはすごいや。
なにかを動かそうというとき、お願いすればすぐに手を貸してくれる知りあいがたくさんいる。
威厳とか強さとか関係ない。
広くて深い人の輪がある。
おじいちゃんにはそういうすごさがある。
総長になるならわたしは、おじいちゃんみたいな人になりたい。