「はい」


ぼけっと眺めていたら、斑が棚からなにかを取りだして渡してきた。


「……これは?」

「去年の校内誌。俺が1年のときの年間イベントが記録されてる」


渡されたのは、B5サイズの冊子だった。


ここは資料室。デスクトップパソコンが1台と4人がけのテーブルが1つ。それと、校内誌や進路情報誌などの雑誌が収納された棚がたくさん。


そのほかにプリンターがある。まさに資料室。


いろいろ探すのにちょうどいいかと思って、会議場所をここにしたのを忘れていた。


斑から渡された校内誌を開いて、目次から当たりをつける。


「一昨年の行き先は……テーマパークだって」

「ということは、遊園地は除外だね」

「なら観光はー?」

「都内観光は問題起こすって佐紺先輩に脅されたから無理かな」

「はぁ?なにそれ。やっぱ殴りに行っていい?」

「だーめ。むしろ、事前に問題起こすって忠告してくれるのいい人じゃん」


ハルルは佐紺先輩の味方らしい。

……かばい方が雑だけど。