「おまたせ。連れてきたよー」


ちょうどいいタイミングでハルルが戻ってきた。

おかげで、りらの意識がそっちへ持っていかれる。


助かった……。


「ハルルおそーい!」

「ごめんごめん。八巻の新しいクラスがわかんなくて、ちょっと探しちゃった」

「し、しつれいします……」


ハルルの後ろからおそるおそる入ってきた八巻くん。

入口付近の壁にもたれかかる斑を見た瞬間、ビクッと肩を跳ねあげた。


反応がひとつひとつ細かくて小動物みたい。

犬に凄まれたハムスター、みたいな?