「あの……佐紺さんってだれですか?」
歩きながら彼らの中の1人に尋ねてみた。
さっき学食で真っ先にわたしを見つけた彼。
この中で唯一見覚えがあるのは、同じ西組2年Aクラスの人間だから。
「西組の総長だよ。聞いてねーの?」
「名前は聞いてなかったです。どんな人なんですか?」
「ちょーこえーよ!いきなり噛みつかれっかも」
「えっ……」
「なーんて、ジョーダン」
楽しそうにケラケラ笑う彼。
心臓に悪い冗談やめてください……。
「すげーいい人。見た目は怖いけど優しいし、だれよりも器がでっかくてカッケー」
「そうなんだ」
よかった、とわたしは安堵の息を吐きそうになった。
……それさえも彼のからかいだと、続く言葉で理解した。
「だからこそ、もしそんな人に敵意を向けられでもしたら……そいつはおしまいだな。ぶっ殺されっかもよ」



