クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした


遠くだと色しかわからなかったネームプレート。近くだと書いてある文字が読める。


どこの組の人かと思えば……西組の人だよ。

お仲間なはずなのに、すごい敵意をむき出しにしてくる。


ひどく冷めた目に見下ろされて、わたしはごくり息を呑んだ。


佐紺(さこん)が呼んでる。ついてこい」

「えっ、ちょっ……」


腕をぐっと引っ張られて無理やり立たされる。


なんて強引で乱暴。
びくともしない強い力がつかんで離してくれない。


「乱暴はやめてください!」


とっさにハルルが止めに入ってくれたけど。


「カンケーねぇやつはすっこんでろ」

「はぁ?」


「ハルルいいよ。わたしは大丈夫だから。……それより、斑に伝えてくれる?たぶん保健室で寝てると思うから」

「……うん、わかった」


わたしを守ろうとハルルがケガでもしたら大変。


周囲に目があるとはいえ、相手は2、3年の不良男子集団。どうしたって力では敵わない。


わめき散らしてだれかが先生を呼んできてくれるのを待つ選択肢もあったけれど、その前に斑がすっ飛んできて、さっきみたいな騒動になるかもしれない。