「そして、わが推し!亜白先輩!」
これまでと打って変わって、急に声のトーンを上げたハルル。
今までも楽しそうに話していたけど、やっと話せると言わんばかりに顔をパァーッと明るくする。
「あの金髪の人?」
「そう!かっこいいでしょ?めちゃくちゃかっこいいよね」
イケメンに目がないハルル。
特にアイドル系の顔立ちの男子が好みなのは、小学生の頃から変わってないらしい。
なんか安心するなぁ。
見た目も年齢も変わった中で、そういう変わらないものを発見すると安心する。
「亜白先輩は南組の総長で。とにかくかっこよくて優しくて頭もよくてカリスマ性もあって、とにかく完璧なの!」
『とにかく』を2回言った……。
「どこがー。チョーうさんくさいじゃん。あれ絶対、腹黒だよ」
「りら。そろそろ怒るよ?」
マジトーンで言うハルルに、りらはぎくっとして口をつぐんだ。
ハルルは怒らせないほうがいい、というのはわたしとりらの共通認識らしい。
小学生のとき何人もの男子を泣かせていた記憶が……。
「それで」とわたしは話の続きを促す。
「南組はどんな雰囲気なの?」
「南組はねー、エリート組って言われてるくらいだから暴走族っぽい人が全然いなくて。ほかの組に対抗してチームを作ったって感じかな」
「黒刃市では『エリートは南区に住む』って言われてるもんね。高級住宅地もあるし」
「そうそう」



