クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした


「まぁ荒っぽい人だからね。で、その紫藤先輩と対立してた赤髪の人がクリスくん」


楽しそうな笑顔を見せていた人。

笑顔は笑顔でも、ちょっと狂気的というか……。


あぁそうだ。それと、その人の名前が気になっていたんだ。


「その……クリスくん?っていう人は、ハーフなの?」

「ううん日本人。クリスってのは苗字で、こうやって書くの」


ハルルはスマホのメモアプリに文字を打った。


“紅里栖”

へぇ、これでクリスって読むんだ。


「クリスくんはね、北組の総長にして、なんと!唯一の2年生総長なの」

「2年生⁉︎わたしたちと同い年だ……」


そういえば、と中庭でのクリスくんのことを思いだす。


態度は同等だったけれど、敵チームの総長、紫藤先輩に敬語を使っていた。呼び方も『さん』づけだった。



「クリスくんが当時の総長からその座を奪ったのが1年生のとき。そのせいで一時期、北組めちゃくちゃモメてたんだけど、結局人柄のよさでまとめ上げちゃったの」


「人柄のよさじゃなくて独裁者だよ。それも無自覚。りら、あの人きらーい」


1年生で総長になったら当然、上から反感を買う。


実力と年功がモノをいう世界だから、いい気はしないって心理がモメさせた原因なんだろうな。


ハルルの話はじゅうぶんに理解できた。


それにしても……りらは相変わらずというかなんというか。

“男嫌い”“毒舌”のパーソナリティは健在らしい。