王子を含めたこの3人だけ周囲と流れる空気が違う。


するどくて速くて──キケン。


濁流に飲みこまれる。なにかが始まる予感。



このときはまだ、彼らを危険な人物だと認めることしかできなかった。


まさかこの3人が、この学校に君臨する4人の総長のうちの3人だなんて思いもしなくて。


残り1人の存在が、わたしを波乱へと導くなんて想像もできなかった。


知らない今が1番のんきでいられたのかもしれない。



こうして、わたしの前途波乱な学園生活が幕を開けた。