「え………………あ、はい……」
思わず頷いていた。
もっとちゃんと『はい!』とか、『よろしくお願いします!』とか返事したかったのに、さらっと情けない返事をしてしまった。
だって、あまりにも信じられなくて。
夢なんじゃないかってくらいふわふわしてて。
だから、夢なら逃したくなくて……つい、つかみ取るように返事しちゃった。
わたしが返事をした、その瞬間。
「ギャーーー‼︎」
「うおぉぉぉぉぉぉおお!」
甲高い叫び声と野太い声が響きわたった。
みんな劇が終わったことよりも、ラストのキスシーンと今の告白に興奮が抑えられないみたい。
絶対、幕の向こうにも聞こえてるよ……。