最初に反応を見せたのは、クリスくんだった。


「はっ。いいっすね。オレそーいうのちょーすき♪」


すっごい満面の笑み。楽しそう。


「なにごともリスク負わないとつまんねーもん。いいっすよ、オレはそれで」

「俺も乗ってやるよ」


紫藤先輩が言う。


残るは亜白先輩だけ。

みんなの視線が彼に向く。


「……ふっ。まぁ今年もうちの勝ちだろうから。……わかったよ。その提案、受けようか」



自信に満ちた笑みを浮かべる、亜白先輩。


楽しそうに笑顔の花を咲かせる、クリスくん。


笑わなくとも口端が上がっている、紫藤先輩。


そして、眉間にしわを寄せる斑と、乾いた笑みすらこぼせないわたし。



4人の総長と最強の一匹狼によるとんでもない賭けが誕生してしまった。


賭けの対象はわたし。


たぶん、損のほうが大きい。
勝っても得はわずか。