「斑と同じ学校に通えるだけでいいと思わないとね」


うんそうだ、と前向きに顔を上げたとき、校舎の前に人だかりができているのを見つけた。

人だかりの頭上を大きく突き出る……掲示板?


その正体は近寄ってみてわかった。


年に一度の大イベント、クラス発表だ。


横並びにずらっと立てられた掲示板には名前がずらりと並んでいて、まるで合格発表のような壮観な景色。


生徒数1900人以上ということは、単純計算でひと学年630人以上。

噂ではひと学年16クラスあるらしいから……。


えっ……!
16クラス630人の中から“西ヶ浜苫”の名前を探さないといけないの?


ひえぇ……あいうえお順とはいえ、漢字の見すぎでゲシュタルト崩壊おこしそう……。



「こっち」


絶望の2文字が頭をよぎったとき、斑に呼ばれた。


なぜか斑は掲示板に目もくれず、スタスタと歩いていってしまう。


迷わずなにかを目指してるみたい。なんだろう……。

斑はわたしの名前がどこに書いてあるのかわかるのかな?


素直にその後をついていくと……。