またイジワルされてるのかと疑いたくなったけれど、妃崎先輩も佐紺先輩も顔が真剣。本気なんだ……。
でもだからって、やります!とはすぐに決断できないよ……。
すると、「その代わり」と佐紺先輩が口を開いた。
「俺が騎士役をする」
「えぇ!?」
「俺も演劇祭に演者として出るのは初めてだ。不安しかないが……。一方的に押しつけるのは忍びない。提案するなら、こっちもそれ相応の覚悟を持たないと」
覚悟……。
そういえば、支えるって言ってたっけ。
……佐紺先輩がそれだけの覚悟を持っているのに、わたしが断るのはなんだか違う気がする。
わたしだって総長をやると決めたときから、この運命を受けいれたんだ。
覚悟は、わたしにもある。
「……わかりました。ほかにやりたい人がいないなら、わたしやります」
そう答えると、佐紺先輩はにっと口元をゆるめた。
「だそうだ。文句あるやついるか?」
みんなに向かって聞く。
「いいんじゃねーか?」
「さんせーい!」
わっと賛成の声が上がった。
もう後戻りはできない。



