原作は黒刃市出身の作家の絵本。黒刃で育った人ならだれもが知っている有名な作品だ。
覚えのない罪で投獄された騎士と、王が亡くなって戦乱の時代に突入した国の姫の物語で、メディアによって作風が異なるのが特徴。
絵本は、この題材で?と思うほどハッピーなストーリーだったけど、小説は出版社によって悲恋だったり純愛だったりする。
恋愛要素をできるだけ抜いて、ダークさを全面に押しだしたものもあった気がする。
『客の年齢層に合わせて、脚本はスタート出版の小説をもとにしたものを見つけてきました。なので、純愛ものになります』
ん!わたしが1番好きなストーリーだ!
あれ?でも、スタート出版の仮面の騎士って……。
「キスシーンあるよね?」
数人がざわつく。
そう。その出版社の小説をもとにしているなら、ラストに騎士と姫のキスシーンがあるはず。
まさか劇でもするのかな?
『えーそれでは、主要キャラの役を決めていきます』
小松先輩はざわざわを無視して話を続けた。



