クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした


毎年6月末に開催される演劇祭は、部門に沿った演目を組ごとに上演して賞を競う文化的催し。


部門は3つあって、『ダンスミュージカル部門』『現代ドラマ部門』『古典ファンタジー部門』を各組1つずつ上演する。


賞は5つ。『作品賞』『主演賞』『助演賞』、1年生を対象にした『新人賞』、美術や照明をまとめた『裏方賞』がある。


賞を取れば取るだけすごいらしいのだけれど、みんなが狙うのは作品賞の中でもっとも栄えある『最優秀作品賞』。


それを取れば“勝ち”なんだって。


演劇に勝ち負けがあるの?と不思議に思ったけれど、妃崎先輩曰く


──なんでも競いたがるのよ、うちの不良どもは。殴りあいにならないだけマシ。


なんだとか。


たしかにケンカで勝ち負けを決めるよりずっといい。



『えー最後は古典ファンタジー部門の演目ですが』


そうこうしているうちに演目発表が終わろうとしていた。


『〈仮面の騎士〉をやりたいと思います。ほとんどの人が知っていると思いますが……』


仮面の騎士かぁ……懐かしい。