君が月に帰るまで

「じゃ、あとでね。何時集合?」

「12時に、ここでどうかしら。お昼も食べるでしょ?」

かえでが腕時計を見る。昼も? 一緒に食べるの?

「わかった。じゃ」

ひらひらと手を振って、図書館の奥へと消えていくゆめ。大丈夫かなほんとに。心配しながらも、はじめはかえでと学習室へ向かった。

学習室は、館内とは違って勉強しやすいよう明るい照明、机は少し斜めになっていて勉強しやすい。

扇形で木製の長机がいくつもあって、大きく渦を巻くように配置されている。いっぺんに100人くらいは入れる大きな部屋。

前を見ると、向こう側で勉強している人が見える。集中が切れてもハッとしてまた勉強できるのも、はじめは気に入っていた。

はじめとかえでは指定された番号の席を探す。B-95とB-96。通路を間に挟んで、隣の席に2人で座った。

はじめは英語、かえでは物理の参考書を取り出して勉強を始めた。
学習室は静かでカリカリとペンの走る音だけが聞こえてくる。

はじめは、最初こそ集中していたもののゆめが心配になってきた。
集中がぶつぶつ切れる。