バタバタ。タッタッタ……

一階から足音がする。あぁ、向田さんがもう来てるんだ。きょうは早いな……もう起きなきゃ……。

向田さん……、向田さんっ!?

スマホをみれば時刻は8時20分。
はじめは脱兎のごとく駆け出して、階段を駆け落ちた。

ドッカン、ドンドンドドーン!!!

いたたた……。激しく打ちつけた腰をさすっていると、キッチンからバタバタと足音がする。なんだろう、何人もいるみたいな音……。

「はじめっ!? 大丈夫?」
「ぼっちゃま、お怪我は?」

心配そうに見つめるゆめと向田さん。ゆめは母親の洋服を着ていた。和室のタンスにあったのだろう。昔よく着ていたワンピースだ。

あれ、もう……ふたりはお知り合いに?

「あ……大丈夫です」

腰をさすりながら立ち上がって、リビングへいき、ダイニングテーブルにつく。
ゆめは向田とキッチンに立って、あれこれ話している。なに? いったいどういうこと?