「あ、碧依くんどうしたの?凄く怖いオーラ出してるけど、、、」


「あ、大丈夫!楓織に怒ってる訳じゃないから、安心してね。」


あ、キラキラスマイルだ。私に怒ってる訳じゃないんだったら、翔央ちゃんと夏方くんに怒ってるのかな?あれ、でも今日碧依くん、この2人と話してたっけ?


「お、どうしたんだよ、如月。」


あれ、夏方くんは碧依くんのこと知ってるのかな?


「実琉、いくら幼馴染だからって、楓織をやる気は無いからな。それにお前、彼女いるだろ。楓織に絡むな。そこにいる奴は翔央って言ったか?誰か知らんが、不必要に楓織に絡んだら許さんぞ。」


「あー、なるほど。もうすっかり白鳥にご執心なのね。はいはい、邪魔はしないからお好きにどーぞ。別に白鳥を狙ってる訳でもないし。でも、お前勘違いしてるぞ。だってひーちゃんは、、、」


「女ですよ〜。どうも、初めまして、実琉の彼女の桧山翔央です。」


よく分からない会話をしてらっしゃる。『ご執心』ってなんだろう?碧依くんが私に執心してるの?いやそれ、どういう意味?訳が分からないけど、夏方くんと翔央ちゃんの息がピッタリってことはわかった。


「は?」


「だーかーらー、ひーちゃんは女で俺の彼女。白鳥さんと喋ってたのは、ひーちゃんが久しぶりに白鳥と再会して、テンション上がって喋りかけたものの、一切覚えられてなかったから色々説明してただけ。」


「俺の早とちりってことか?」


「そうだよーん。ていうか、楓織かー。ライバル多そうだね君。」


「もう、誰にも渡す気はないから大丈夫だ。なんかされたら犯人を木っ端微塵にしてやる。」


「それはやめようね〜。」


なんか私だけついていけてないな。本当に碧依くんどうしちゃったんだろ。


「楓織〜、大丈夫?ついてこれてる〜?」


「翔央ちゃ〜ん、何にもついていけないよ〜(泣)」


「あはは、楓織はこういう事に昔から疎かったもんね。如月、ファイト!」


「う〜、何がファイトなの〜。」


「ま、その内わかるって。じゃあ、私たちは帰るから。バイバーイ、さっ実琉行こっ。」


「そうだな。お前も頑張れよ、碧依。」


そう言って、夏方くんと翔央ちゃんは帰ってしまった。


「ねぇねぇ、何がファイトなの?教えてくれる?」


「あー、今は駄目だ。またいつか、な。」


「むー」


まっ、その内分かるんだったらそれでいいか。


「そう言えば碧依くん、今朝芦ヶ川で会ったけど碧依くんは何処に住んでるの?」


ずっと気になっていたこと、あんな所で会うなら結構近いのかもしれない。


案の定、碧依くんは私の住んでいる町の隣り町だった。と言っても、私が住んでいるところ自体が町の端っこの方だから10分あれば行けるくらいの距離っぽい。住所的にはそんな感じだった。


そして、碧依くんからある提案をされた。


「なら楓織、明日から一緒に登校しない?下校は、今日みたいにお互いの都合が合った時だけでいいからさ。」


なんと、登下校のお誘い!これは、ぼっちな私に嬉しい!皆んな私のこと頼りにしたりしてくれてはいるけど、親友みたいな子はいないんだよね… ちょっと、距離を置かれてるっていうか。だから、凄く今嬉しい。


「え!いいの⁉︎是非是非お願いします!」


「ん、じゃあ俺らも帰ろっか。」



「はーい!」


そう言って、2日目の学校は幕を閉じた。