「なんでそうなるんだよ、男と女が合意の元に身体を重ねて、どうして仕事辞めないと行けないんだ」

「でも、社長に醜態を晒して、このまま、今まで通りなんて虫が良すぎます」

「お前に仕事辞められると俺が困る、だから今まで通りで大丈夫だ、
それにお前があんなに色っぽい顔するなんて、想像以上だ」

まどかはポカンとした表情を見せた。

「どうした」

「だって、社長変なこと言うんですもん、それに、彼女さんになんて言ったらいいか、申し訳なくて」

「だから、俺は彼女いねえって」

「でも婚約者とか、許嫁とかいますよね」

「許嫁っていつの時代だよ」

「どうせ、私は社長より十歳上ですから」

まどかは頬を膨らませて見せた。

「お前、可愛いな」

まどかは可愛いと言われて顔が真っ赤になった。

「早く支度しろ、遅刻するぞ」

「はい」

まどかは急いで食事を済ませて、シンクに洗い物を運んだ。

「何やってるんだ」

「洗い物を……」

「そんなの帰ってきてからやればいいだろう」