心臓がうるさいくらいにドキドキ鳴っていた。

それならどうして離婚届を受け取ったの?

龍斗は新のマンションへ向かっていた。

もう一度まどかと話をしたいと考えたのだ。

ところがインターホンには応答はなかった。

まどか、どこにいるんだ。

悪戯に時間ばかりが過ぎて行った。

新は海外の仕事で日本を留守にしていた。

まどかのことは心配だったが、仕事を優先した。

まどかは一人でアパートを借りて、スーパーで働いていた。

龍斗は探偵を雇い、まどかの行方を探した。

「木崎社長、奥様の行方がわかりました」

「どこだ、どこにいるんだ」

「地図をお送りします、以外と近くだったので驚きました」

まどかは龍斗のマンションの近くのアパートに住んでおり、隣の駅前のスーパーで働いていた。

龍斗は早速、まどかが働いているスーパーに足を運んだ。

レジ業務に携わっていた。

龍斗はカゴに食材を入れて、レジに並んだ。

「いらっしゃいませ」

まどかは仕事に集中していて龍斗に気づいていない。