一緒の時間を過ごして幸せだった。

それなのに、なんであの時新の元に残るって言ったの?

愛していたの?

違う、ただ可哀想で放っておけなかった。

それを愛と呼ぶなら、社長に対する気持ちは何?

でも、もう遅い、今更あなたを愛していました、あなたの赤ちゃんを授かりました、

側においてくださいなんて言えない。

とにかく妊娠の真意を確かめるべく、まどかは妊娠検査薬を試すことにした。

ドキドキしながら、結果は陽性だった。

私、社長の赤ちゃんを妊娠している。

そんな時アパートのインターホンが鳴った。

えっ、誰?

「どちら様でしょうか」

「まどか、俺、龍斗だ、体調不良で休んでるって聞いて、様子を見にきた、大丈夫か」

社長。

まどかはドアを開けた。

そこには龍斗が立っていた。

「まどか、大丈夫か」

「社長」

「飲むゼリーとヨーグルト、それからスポーツドリンク買ってきた」

「ありがとうございます」

龍斗が袋を手渡そうとして、まどかの手に触れた。