この選択が間違っていることを、まどかは気づくことが出来なかった。

「社長、すみません、私、彼のそばにいます」

この時新は、背中を向けていたまどかに気づかれないように、龍斗に対して口角を上げて、

ニヤッと笑った。

こいつ、なんて男だ。

龍斗はまどかを無理矢理連れて帰っても、逆効果だと思い、一旦その場を後にした。

あれから龍斗はあの男のニヤッと笑った顔が脳裏に焼き付き、眠れない日々を送っていた。

まどかはあの男を愛している。

ダメな男とわかっていても、離れられない運命なのか。

いや、俺に振り向くようにする、そう龍斗は決心した。

まどかは、新の元に戻って、一ヶ月が過ぎた。

相変わらず、新はパチンコばかりして、一向に働く気配を見せない。

まどかの財布から金を抜き取って、パチンコなどギャンブルに費やしていた。

ベッドは相変わらず別で、昼間まどかが仕事に行っている時間に女を連れ込んでいるようだった。