中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら甘めに愛されました。


「――――眠れないのですか?」
「リサと離れていると、心配で」
「……レナルド様」

 レナルド様こそ、誰かがそばにいたほうがいいのかもしれない。
 そっと、手を握りしめれば、小さくレナルド様の体が揺れた。
 私は、さっきまでの不安も忘れて、そっとレナルド様を引き寄せる。

「リサ。夜は、部屋に入ってほしくないんじゃなかったんですか」
「そんなこと言っている場合じゃないでしょう」

 部屋に招き入れてしまった。
 でも、レナルド様は私が怖がったり嫌がるようなことは、絶対にしない。
 それが分かっているのに、どうして私は距離を取ろうとしていたのだろうか。

 ベッドでは、シストが大の字に眠っている。
 猫のくせに、そんな眠り方。シストには警戒感がないのだろうか。

「一緒に眠りましょう」
「――――リサ? 何を言っているか分かってますか?」
「野営の時は、一緒に寝たじゃないですか。それに、間にシストがいますから」
「……はぁ」

 なぜかレナルド様は、ため息をついた。
 16歳になったばかりで異世界に来て、そのまま聖女としてだけの教育ばかり受けてきた私は、こういった時どうしていいかわからない。

 でも、今のレナルド様を、一人にしたくなかった。まるで、居場所を探しているような、レナルド様を。