「……リサを聖女にはしない。聖女である限り、彼女は、王国の民を守るために戦うでしょうから。王家に利用されていると、分かっていても。そんなこと、俺は許さない」
「……それは事実だけれど。あなたの場合は、それだけじゃないでしょう? レナルドは、ずっと、聖女の称号を消す方法を探していたものね」
「…………スタンピードは、俺が処理します。リサを守ってくれませんか?」

 レナルド様が、テーブルを囲む仲間たちに目を向ける。複雑な表情のまま頷く、私の大事な仲間たち。

「でも、あなたも大事な仲間だわ。レナルド」

 部屋を出る時、ミルさんがつぶやいた言葉。
 たぶんそれは、レナルド様には届かなかった。