中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら甘めに愛されました。

 月すら出ない真夜中。
 遠くに聞こえるフクロウの鳴き声。この世界の夜は、あまりに暗いから、私はいつも、怖くて、なかなか眠りにつくことができない。

 でも、今夜は違う意味で眠れそうにない。

「あ、あの……。レナルド様? 私そろそろ、寝ようと思うのですが」
「リサ、俺が見ているから、安心して眠って下さい」
「えっ」

 寝られませんっ!
 どうして、当たり前のように、部屋の端で控えていようとするんですか?
 むしろ、寝ない気ですか?

「……あの。レナルド様の方が、私より本格的に呪いに蝕まれてましたよね? 体に負担がかかってますよね?」
「常日頃、鍛えているので」
「鍛えていても、ちゃんと休んで下さい」
「…………来たか」

 暗闇の中で、ラベンダー色の瞳が、魔力を帯びて煌めく。

「リサ、大丈夫だから、ここにいて下さい」
「……え?」

 どうして臨戦態勢なのですか?