中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら甘めに愛されました。


 それでも、いつも私を守っていてくれること、知っている。本当に感謝しかない。

 それからも、魔獣が発生した時は、いつものメンバーでパーティーを組んで、倒しに行った。

 レナルド様のその背中が、いつも私を守ってくれているせいか、想像していたよりも、魔獣を倒す旅は、恐ろしくなく、仲間たちと過ごす時間も楽しくて、息の詰まる王宮よりも、むしろよっぽど快適だった。

 それに、レナルド様と食事が一緒にできることが、何より嬉しい。
 今日は、焚き火を囲んで、串焼き肉を食べている。そう、お肉だ。

「……あの。聖女はお肉を食べたらいけないのですよね?」
「そんなの、古い迷信です。そもそも、何世代かか前の聖女が、肉を好まなかったというだけらしいですよ。……食べないんですか?」

 目の前には、ジューシーな串焼き肉。
 香ばしい匂いを漂わせるそれは、ちなみに、魔獣のお肉だ。どんな味なのだろう。
 冒険者は、好んで食べるらしいが、市場には出回らない。

 それでも、背徳感から悩んでいた私の口に、お肉が押し込まれる。

「ここに来てから、聖女様はお痩せになりました。もっと食べるべきだと思います」
「むぐっ……」

 お肉を食べ終えて、一息ついた瞬間に、ポロッと涙が出てしまった。
 久しぶりに食べたお肉が、美味しすぎたせいではない。もちろん、レナルド様の優しさにだ。