アキラを語る①

建田(たてだ)




アキラがここに来たときのこと…。

ああ…、よく覚えているわ。



客引きをやってた、間宮と浅田にお前、引っかかってな。

ちょうど勤めてた会社、辞めた日だったってな。



何があって辞めたんだかは知らかったが…。

お前、テンバッテたらしいじゃねえか。



...




やけくそで退職金使いまくって、飲みまくって…。

ここにたどり着いたときはヘベレケ状態だったとな…。



お前、ここピンサロだって思ってたらしいな。

それで、話違うって、暴れちゃってよう。



ハハハ…、間宮とかに、ボコボコにされちまってなあ。

水ぶっかけられて…。



...




ここ…、”マッドハウス”は表向きはライブハウスでも、あの「相和会」の出城だ!



ハハハ…、お前、店の被害そのままツケでしょってな。

それから、ココの雑用で借金返済の毎日が始まったって訳だ。

それこそ、朝から晩まで…。



ふふ‥、俺たちはそうやってケツの毛まで毟り取るのが商売でな。

でもよう…、お前のケツ毛はドンドン伸びていったもんだ。



いつの間にか、あのあばずれ赤子にギター仕込まれてYOU
…。



その頃から、なんとなく感じてたよ…。

お前には”化ける”才があるってな。

まあ、本人の気が付かないところでってところだろうが。

でよう…、案の定だったしな(薄笑)。