今日に限って食い下がり、攻撃的で機嫌が悪く、一度でも詰まれば怒りは増すが、此方も怖気づいてなど居られない。
「けど、仕事しないと食べていけないだろ」
「大して無いじゃない」
「それでも!……仕事しねぇと、腹に子供居るんだからさ……、少しは考えるだろ」
思わず感情に任せて声を上げ、行き場の無い苛立ちを、どうにか押さえ込んだ。
「そうね。でも、私が稼ぐわ」
「腹が大きくなるのにか」
「何その言い方」
南穂は明らかに険しい顔で大きな溜息を洩らすが、此方も同じようにしたところで問題が解決することはない。
何も知らないと思ってる節があるが、片付けをする前や窓を開けた時に、見慣れない車から出てくる場面も、その中で何をしてたのかを、自分の目で確認している。
それは、付き合ってから始まり、毎回違う車で、気のせいだ、と以前までは考えていた。
けれど、いつも以上に感情的な様子や、先程の違和感から、"本当の父親"と揉めごとを起こした、と思うのは容易く、これまでの酷い有様を突きつける。
「誰の子だよ、それ」
「どうして、貴方に言わなきゃいけないの?」
淡々と応えて肩を震わせて居るが、おそらく、泣いてる素振りで笑っている。
こうして此方を虚仮にしながら、周りには"売れないカメラマンを支える健気な女"を装い、
数多の選択肢に色仕掛けで近付き、自分よりも優秀な"獲物"を狙っていた……。



